格闘技をやってて、道場でいろんな肩書きをつけられてた。
最初に代表に呼ばれたのが「連勝男」。
MMAで勝ってキックボクシングで連勝して、3連勝してた。
その次の試合で負けるまで、新しく来た人とかに「連勝男」って紹介されてた。
その次が「不屈の男」。
これも代表に呼ばれてた。
自分より強い相手にも自分から望んで戦うし、スパーリングでぼこぼこにされても立ち上がって戦ってたから。
自分より強い相手と望んで戦ってたのは、自分より強い相手とやる方が強くなれるって考えてたから。
自分より弱い相手とやる方が当然楽なんだけど、自分より弱い相手に強い打撃を当てるのは好きじゃなかった。
ぼこぼこにされてもまた立ち上がってやってたのはちょっとおかしい。
たぶん自分はアドレナリンの分泌量が人より多いタイプなんだと思う。
痛みに鈍くなるし、闘争心が強い。
そのせいで大きい怪我したり夜寝れなくなったりすることがしょっちゅうあった。
あと人と口論になったりすると声がうわずったり震えそうになったりする。
ビビってるんじゃなくてアドレナリンの分泌のせいだと思うけどだいぶ嫌。
「イカレてる」もよく言われた。
プロ選手と激しいスパーリングして何度も倒れてるのに起き上がって続きをやろうとするから。
練習後の更衣室で練習仲間たちからよく「イカレてますね」と笑いながら言われてた。女性会員とか練習生とか、引いてる人もいた。
いま思い出したけど「ゾンビ」も言われてた。
「連勝男」、「不屈の男」はいいけど「イカレてる」と「ゾンビ」は褒め言葉じゃない。
自分の試合の動画がYouTubeとか道場のSNSに上がるようになって、「動画の人」も何度か言われた。
初めて話す練習生に「動画の人ですよね」とか「一方的に知ってました、動画観てます」とか言われてた。
負け試合は見ないでね。
あと「中年の星」も言われた。
40歳すぎて打撃の試合に出てる人は少ない。
自分は40歳すぎてもきつい練習続けてキックボクシング、MMAの試合に出てた。
同じ年代のメンバーから「中年の星です、背中追いかけてます」とか「憧れてます、我々世代の星です」とか言われてた。
何度か書いてるけど自分は褒められるのが好き。
いろんな人が肩書きをつけてたくさん褒めてくれて嬉しかった。
褒め言葉じゃないのも混ざってたけど。
そういや「挑戦し続ける男」も言われてた。
これも代表から。
いま考えたら代表は「◯◯男」ってネーミングが多かった。
40歳を超えてもMMAの試合に出てたせい。
たぶん出場選手の中で最年長だったと思う。
道場では本当によく褒めてもらってた。
格闘技をやめるといままでみたいに褒めてもらう機会がなくなる。
とても残念。