気絶

初めて人を気絶させた。

一通り打撃の練習をしたあと、プロ選手、体格のいい自衛隊員、自分の3人でパスガードのスパーリングをしてた。

プロ選手は組み技の凄く強い人だけど、階級は下。

そのプロの人とやってるときに、肩固めを極めた。

一般的な肩固めと違う、自分の腕と肩で絞める技。

肩固めの体勢に入って、タイマーが鳴ったので技を解いた。

すると少し遅れてからプロ選手が起き上がった。

「いま落ちてました」

と言う。

えっ。

力が抜けてるな、とは感じたけど落ちてるとは思わなかった。

残り時間が少なかったので耐え切れると考えたみたい。

我慢してたらそのまま落ちたんだと思う。

数ラウンド後、また同じ技が入った。

今度はプロ選手の力が抜けたなと思って技を解いた。

でもプロ選手は目を開いたまま動かなかった。

うわわわわ!

近くにいた代表に

「◯◯さん(プロ選手の名前)落ちちゃいました!」

と慌てて声をかけた。

ところが代表は

「あー、大丈夫やろ」

と言うだけ。

自分が焦ってると

「見てみ」

と言ってプロ選手の方を顎で指した。

振り返るとプロ選手が体を起こしてた。

「あれ、何くらってました?」

と普通にしゃべってた。

怖。

技の説明をすると

「そういやくらいましたね」

と納得してた。

そしてそのあとも普通にスパーリングを続けてた。

いや怖いやん。

次のラウンドで今度はギロチンチョークが入った。

でもプロ選手の力が抜けたように感じるとすぐに緩めてしまった。

絶対また落ちそうになってたと思う。

ポイントをずらしながら耐える練習をしてるのかも。

でも極まってるときはタップして欲しい。

気絶して動かなくなるのは見てて怖かった。