アグラ城から帰ってきて再び出かけた。
ホテルからかなり離れたイティマド・ウッダウラー廟ってところまで行くことにした。
ホテルを出るとすぐにリキシャーワーラーが客引きに来た。
自転車で後ろの座席に人を乗せるサイクルリキシャーの客引きに話しかけられたけど、目的地まで距離があるので
「I want to ride Auto-Rickshaw(訳:オートリキシャーに乗りたい)」
と言った。
するとすぐに後ろから1人が出てきた。
「I have Auto-Rickshaw(訳:俺はオートリキシャーだよ)」
と言う。
…よく見るとその人は朝めっちゃ近い距離で30ルピーとった人。
「You,this morning!(お前、今朝の!)」
と言うとまた
「へへへへ…」
と笑ってた。
「My 30 rupee!(訳:俺の30ルピー!)」
と言ってたたく真似をしても
「へへへ…」
と笑って逃げる。
憎めないやつ。
普通ならだまされて腹が立つところやけど、あまりにもいい笑顔を見せるのでまたその人のリキシャーに乗ることにした。
交渉すると片道40ルピーで、往復なら70ルピーでいいと言われた。
一見得してるように見えるけど正規料金はもっと安いのでほんとは相手が得してる。
往復で頼むと
「friend,friend!(訳:友達、友達!)」
と言いながらまた笑う。
調子のいいやつ。
目的地に着くまでいろいろ話した。
俺も相手も片言の英語しか話せない。
でもそのおかげでお互い簡単な言葉で話すので意思の疎通がしやすい。
一緒にいて思ったんやけど、そのリキシャワーラーはめっちゃいいやつやった。
話し方も優しいし、他のリキシャーと違って運転が丁寧。
周りに迷惑をかけないように気を遣ってるのを感じた。
そんな人は他には誰1人いない。
あ、ちなみにインドには信号がない。
交通量は多いのに。
どうするのかというと、みんなめちゃくちゃクラクション鳴らしながら突き進む。
街全体が一日中常にクラクションの音でうるさい。
交差点は何重にもクラクションの音が鳴り響いてる。
日本と違ってクラクション鳴らすのが普通。
むしろ鳴らさないと危ないって考え方らしい。
※クラクションの音は気にしなくていい。
イティマド・ウッダウラー廟はムガル時代に建てられたお墓。
お墓って言っても日本のイメージとは違って、1つの建造物になってる。
日本で言う古墳みたいな感じ。
観光客は1人もおらず。
現地の人もほんの数人だけ。
タージマハルやアグラ城のあとに行くと寂しく感じた。
往復で頼んでたので、帰りも調子のいいリキシャーワーラーに送ってもらった。
またいろいろ話した。
その人はイスラム教徒で「ニーシャ」っていう洗礼名があるらしい。
途中でニーシャのリキシャーワーラー仲間に話しかけられて
「He is good man!(訳:こいつはいいやつだよ!)」
と言われた。
俺もそう思うよ。
ニーシャに
「どこかで食事したい」
と言うとMAYAっていうレストランに連れて行ってくれた。
俺も嫁もナンとカレーのセットを食べた。
値段は観光客向けやけどなかなかおいしかった。
店を出ると今度は
「買い物に行かないか?」
と誘われた。
リキシャーワーラーはレストランや土産物屋に客を連れて行くと、店からマージンが入るようになってる。
他のリキシャーワーラーなら断るところやけど、俺はすっかりニーシャが気に入ってたので買い物に行くことにした。
連れて行かれたところは観光客向けの土産物屋。
でも品揃えがめっちゃ良かった。
自分たち用に嫁はサリーを買い、俺は指輪を買った。
あとは人に渡すお土産を購入。
たくさん買い物してホテルに帰った。
リキシャーを降りてからニーシャと記念撮影。
なんか別れるのがちょっと寂しかった。