愚痴聞き

嫁の愚痴を聞くようにしてる。

昔は愚痴を聞いて「それはこう言ったらいいやん」とか「こうした方がいいと思う」ってアドバイスをしてた。

でも何年かして気づいた。

アドバイスなんか全く必要とされてない。

嫁は愚痴を聞いて欲しいだけ。

うん、うん、と相槌を打って共感してもらいたくて愚痴を言ってる。

ちょっとした返事があればそれで充分。

たまに気の利いた返事があれば満足してる。

これに気づくのに時間がかかった。

男同士の話なら、問題解決に向けた意見とかアドバイスを言い合う。

自分の中ではそれが普通なので、嫁の愚痴をちゃんと聞いてちゃんと意見を述べてた。

でもそれは嫁にとって求めてるものじゃない。

嫁はめんどくさい意見を聞くと不機嫌になるし、ちゃんと聞いてちゃんと意見を言う自分も疲れてた。

嫁が求めてるものに気づいてからは気軽に愚痴を聞けるようになった。

スマホいじったりしつつ相槌を打って、時々うるさくないくらいの意見を挟む。

嫁は気分よく愚痴を言って発散できる。

自分は適当に聞き流してるだけでいい。

愚痴を聞いてやると嫁はすっきりして満足。

昔より適当に相手してるのに。

コストパフォーマンスぶっ壊れかよ。

ちゃんと聞いてちゃんと意見を言ってた頃の自分に教えてやりたい。