7日目午後。
またガイドブックを調べて、ピエール・ロティのチャイハーネってところに行こうとした。
ピエール・ロティはフランス人の小説家。
チャイハーネはトルコの伝統的な喫茶店。
金角湾を一望できる屋外に席のある喫茶店で、小説家ピエール・ロティが連日通って小説を書いてたらしい。
船で金角湾を北上しようとした。
ところが船着き場を探してもそれらしい船がない。
港に座ってた人にガイドブックを指差しながら聞いた。
英語は通じなかったけど、自分のジェスチャーに付き合ってくれて「北上する船が運行休止してる」ってことと「バスに乗ったら行ける」ってことを教えてくれた。
「ナインティーナイン、アー」
と何度も言われ、
「Ninety nine hour?99時間かかるってこと?」
と思った。
するとガイドブックの「a」を指差しながら
「アー、アー」
と言う。
そこでやっと「99A」の路線のバスに乗ればいいってことに気づいた。
日本やアメリカで「エー」とか「エイ」って発音する「a」を、トルコでは「アー」って発音するみたい。
身振り手振りで乗り場も教えてくれた。
無事に99Aのバスに乗ることができた。
バスの中でも親切な人がピエール・ロティのチャイハーネの最寄りの停留所を教えてくれた。
たまたま同じ停留所で降りる人で、途中まで道案内もしてくれた。
停留所からしばらく歩き、ロープウェイに乗らないといけない。
ロープウェイは見えるけど乗り場への行き方がわからなかった。
道を歩いてた警備員の人に聞くと、その人が同じ場所に行く3人組のトルコ人を呼び止めて案内するように頼んでくれた。
いろんな人に助けてもらいまくり。
ロープウェイの乗り場に着くとめっちゃ人が並んでた。
ガイドブックではそんなに大きい扱いじゃなかったけど、けっこう人気があるみたい。
1時間近く並んでやっと乗ることができた。
チャイハーネでも席が空くのを待たないといけなかった。
自分たちが待ってる目の前にカップルがいた。
なんか女の子が凄く怒ってるのにチャラい感じの男がいちゃつきながら謝ってた。
嫁は疲れてるのもあるせいか、それ見てチャラいトルコ人に怒ってた。
「あいつは絶対嫌なやつで女の子をダメにする」
とか言ってた。
見た目で判断してるだけ。
やっと席が空き、チャイを頼んで金角湾を眺めながら一息。
すると近くに座ってたヨーロッパ系の家族に一緒に写真を撮ってくれないかと頼まれた。
アジア側と同じで東洋人が全然いないので珍しかったみたい。
若い女の子2人と写真を撮ることに。
母親らしき人に
「肩を組んで」
と言われたので女の子の肩に手を回した。
そのときに気づいたけど、女の子はチューブトップの服を着てたので素肌の肩を持つことに。
意識してしまって指だけで触るような持ち方をしてしまった。
完全にきめーです。
帰りのロープウェイはそんなに待たずに乗ることができた。
降りたら行列がさらに増えてた。
自分たちが並んだときはまだましやったみたい。
帰りも道行く人にバスのことを聞いてると、通りかかった親切なトルコ人の若者が乗るバスを教えてくれた。
本当にありがたいんだぜ。
無事に旧市街まで戻ってくることができた。