幸福な朝食

乃南アサの「幸福な朝食」を読んだ。

恩田陸に続いて女性作家の小説。

女優を目指し上京した主人公が運命の悪戯により挫折。

平凡な人生を歩むこととなる。

しかしある出来事をきっかけに「自分は妊娠して幸せ」という妄想にとりつかれる。

挫折と妄想がその主人公を狂気に駆り立てる。

女性の心理描写が巧み。

主人公以外の登場人物の、成功したベテラン女優、純粋な若い女性の描写にも女性作家じゃないと書けない緻密さがあると思った。