トンネル

ハイキングコースの途中にいくつもトンネルがあった。

元々電車の線路が通ってたところが廃線になって、ハイキングコースになってる。

電車が通ってたトンネルがそのまま残ってる。

トンネルは長いやつで400m以上ある。

照明はないので、中に入ると真っ暗。

光が届かないところまで来ると本当に目の前さえ見えない。

自分は暗いところは全然怖くない。

トンネルの中も平気だと思ってた。

でも実際に真っ暗なところまで来ると想像と違った。

目を開けてるのに何も見えないと凄く不安に。

暗いのが理由じゃなく、自分の体が見えなかったせいだと思う。

目を開けてても自分の体が見えないと、段々自分の存在が不安定なような気がしてきた。

歩いてるのに自分の体が無いような感じ。

思ってもみなかった感覚だった。

トンネルの反対側から明かりが見えるとほっとした。

自分が普段いかに明かりに慣れてるのかってことがよく分かった。

とても貴重な体験だった。