ばいばい

なつおの話。

なつおが「ばいばい」を覚えた。

朝出かけるときに

「なつおばいばい」

と声をかけると手をふるようになった。

「ばいばい」に応えて手をふってくれるのは成長を感じて嬉しい。

でもあっさり手をふられるのは悲しい。

わしは泣きながら引き止めて欲しいんじゃ。

なつおは人間以外にも手をふる。

散歩で電車を見に行ったとき、電車が通りすぎると手をふったりする。

賢いような賢くないような…。

あとなつおを抱っこしながらコンビニやスーパーで買い物すると、レジの人に手をふる。

レジの人が気づくまでふってる。

でもレジの人が気づいて

「ばいばーい」

と言ってくれると、なつおは隠れるように抱きついてくる。

自分から手をふるくせに、いざ話しかけると隠れる。

根性なし。

「ばいばい」が別れの動作ってことを分かってるのか分かってないのか微妙なところ。

なんとなく手をふってるような気もする。

分かってたら俺にばいばいするときはもっと泣くはず。

うん。